第74回カンヌ国際映画祭にて、西島秀俊主演・濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が日本映画史上初となる脚本賞を受賞した。合わせて国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も同時受賞する快挙を成し遂げている。
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主演・西島秀俊も祝福「これからもたくさんの傑作を作って」
同作は、小説家・村上春樹の同名の短編小説を原作とする現代劇。妻を失った舞台俳優で演出家の家福悠介(西島)が、喪失感を抱えつつも希望に向かって進む姿を描写する。
新型コロナウイルスの影響で昨年は中止となり、2年ぶりの開催となったカンヌ国際映画祭。日本映画としては唯一、最高賞を競うコンペティション部門への出品を果たした本作がレオス・カラックス、ウェス・アンダーソン、ポール・バーホーベン、フランソワ・オゾン、ジャック・オーディアール監督など世界的名匠たちの話題作を抑え、24作品から堂々の選出された。
ワールドプレミアとなった公式上映後には「悲しみと再生について描いた、深い感動の物語」(Variety)、「濱口監督は、この映画で世界的な才能の持ち主であることを証明した」(Little White Lies)、「ラストシーンはこの映画祭で目にした中で最も美しいものの1つだ」(Videodromo)など海外メディアの絶賛レビューが相次いだ。
Screen International 誌が掲載する各国の批評家たちによる「星取表」では4点満点中3.5点という『パラサイト 半地下の家族』(19年)以来の断トツのハイスコアで、最後まで首位を独走。授賞式に先がけて発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの賞も受賞した。
濱口監督は、これまでに第71回ベルリン国際映画祭で短編集『偶然と想像』(21年)が審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞。第77回ヴェネチア国際映画祭では共同脚本を務めた『スパイの妻<劇場版>』(20年)が銀獅子賞(監督賞)を受賞するなど三大映画祭を席巻し、気鋭監督として世界的に注目を集めていた。『ドライブ・マイ・カー』は、商業デビュー作『寝ても覚めても』(18年)以来、2作品連続・3年ぶりのカンヌ出品作だった。
今回受賞した脚本賞は、コンペティション部門に出品された全24作のうち最も優れた脚本に贈られる賞で、日本人・日本映画での受賞はカンヌ国際映画祭史上初。濱口竜介監督と、共同脚本の大江崇允の2人へ贈られる。
濱口監督は授賞式のスピーチで「最初にお礼を申し上げなくてはならないのは、この物語を我々に与えてくれた原作者の村上春樹さんです」とコメント。共同脚本家の大江に感謝を述べた後、「脚本賞をいただいたが、脚本は映画には映っていない。それを素晴らしいと思っていただけたのは、表現する役者たちが本当に素晴らしかったと。役者たちこそが物語だという風に思っています。主演の西島秀俊さん、三浦透子さん、岡田将生さん、霧島れいかさんパク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、ソニア・ユアンさん、ペリー・ディゾンさん、アン・フィテさん、安部聡子さん、すべての出演者、役者のみなさんが、この物語を自分の身体で素晴らしく表現してくれた。もしよろしければ、海の向こうにいる役者、それを支えてくれたスタッフの皆さんに大きな拍手を送っていただけたらと思います」と語った。
今回の快挙にあたって、西島もコメントを発表。「監督が村上春樹さんの原作を問いとし、過去と真摯に向き合うことで人は絶望から再生することができるという答えを示したこの作品が、世界の人々の共感を呼んだのは本当に素晴らしいことだと思います。監督の、人への深い洞察と愛情の力です。これからもたくさんの傑作を作ってください。楽しみにしています。おめでとうございます!」と述べている。
『ドライブ・マイ・カー』は8月20日より全国公開。
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