『仮面ライダーセイバー』撮影現場の過酷さ
2021年は、『仮面ライダー』50周年、および『スーパー戦隊シリーズ』45作品目という節目の年となる。この記念すべき年に、Wアニバーサリー記念作品『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』が7月22日より公開される。昭和、平成、令和を彩った両シリーズのヒーロー83人が全員集合するアクション大作だ。同作の公開を記念して、『仮面ライダーセイバー』の主人公・神山飛羽真を演じる内藤秀一郎が抱く“仮面ライダー”への思い、そして1年間、ヒーローとして駆け抜けてきた今だからこそ感じるもの……。現在の心境を聞いたインタビューをムビコレで掲載中だ。
・『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』内藤秀一郎インタビュー
『仮面ライダー』撮影現場では「大変なことは多かったです。初めてのことばかりだったので。砂利道で転がったり、ワイヤーに釣られて宙を浮いたり、ということも初めてだったんで。でもやはり俳優としてやらなきゃいけないことですし、吹っ飛ばされたダメージの大きさ、その迫力の大きさも自分自身で見せないといけない。それからナパームを使った爆破シーンも熱風がすごくて。結構近くの距離にいたんですけど、燃えちゃうんじゃないかというくらいに熱風が強くてビックリしましたね。もちろん水落ちもあったんですが、僕は泥水に落ちました。グリーンバックの芝居とか、とにかく初めてのことばかりでしたね」と振り返る。
『仮面ライダー』50周年、かつ『スーパー戦隊シリーズ』が45作品目という記念すべき年に『仮面ライダー』の主演を演じ、その流れでWアニバーサリー記念作品の主演を務めることになった。
「アニバーサリー作品の先頭に立てると聞いたときは正直、うれしさよりもプレッシャーが強すぎて……。自分が前に立ってセリフを発してもいいものかとずっと思っていました。でも気持ちを切り替えて、神山飛羽真として芝居をするうちに、先輩から“がんばれ”と言っていただき、そこからは最高のものを作ろうと思っていました」。
今回の映画では、歴代37人の仮面ライダーと46人のスーパー戦隊、総勢83人のヒーローたちが全員集合することが話題になっている。
「全員ってどういうこと? と思いました。話を聞いたら、50年分の仮面ライダーがいます、プラス、スーパー戦隊が全員来ます、と聞いた瞬間はプレッシャーでした。子どもの頃の憧れだった『仮面ライダー電王』との共演はテンション上がりました! 撮影中は神山飛羽真として現場にいなければいけなかったですが、待機する時には、自分が歴代のライダーを見られるので、ずっと電王を見てましたね。動いてるというだけで嬉しくて。映画の中で僕は異世界に飛ばされてしまうんですが、(『仮面ライダー電王』に登場する怪人の)モモタロスと違う世界に飛ばされてしまうんで、本気でモモタロスと同じ世界に行きたかったと思いました(笑)。
今回『機界戦隊ゼンカイジャー』の世界に行くということで、普段とは違う世界観に飛び込んでことで、手応えもあったようだ。
「僕は『ゼンカイジャー』も毎週、見させていただいているのですが、明るいし、楽しそうだし、何しろキラキラしているなというイメージがあったんです。僕たち『セイバー』の世界はどちらかというとシリアスで。しかも映画を撮影したのが、テレビでも佳境に入っていた頃の、みんながバチバチとやりあっていた頃だったので、最初は『ゼンカイジャー』の世界に入るのは不安でした。最初は『ゼンカイジャー』に合わせようと思って。動きを大きく、表情も全部大きくやっていたんですけど、今回の映画版の田﨑竜太監督に『お前、違うだろ。それって神山飛羽真なのか』と言われて。『いや、正直違います』と返事をしたんですが、見抜かれていたんですね。『いつも通りの飛羽真、いつも通りのセイバーでいてくれればいいから』と言われて。正直最初は半信半疑だったんですけど、モニターを見たら大丈夫でした。田﨑監督がきちんと調整してくれました」と感謝の言葉を口にした。
正直、他の役を演じるのはちょっと怖いなという思いはあります
撮影中はほぼ1年間、5時に起こされて1日中撮影という毎日だったそうで、「最初は慣れなかった」と苦笑いする。だが「今となってはそれが普通になりましたね」と自信をのぞかせる。「僕の場合、一番変わったのが芝居ですね。こんなに毎日、芝居をする環境というのはなかったので。今までは小手先だけで芝居をしていたなと思います。表面上だけでセリフを吐いていたので、その役の気持ちになってセリフを発したことはなかった。でも今回は神山飛羽真という役に1年間、ほぼ毎日寄り添って。セリフの一つひとつに、ちゃんと意味を持たせたセリフ回しができるようになりました」と自らの成長を実感した様子だ。
次の“俳優・内藤秀一郎”は、どの道に進むのか……?
「正直、他の現場に行くのが不安です。今の現場が最高すぎて。やはりもう1年間もやってるんで、自分も慣れているし、気を使わずにものを言えるし。みんな知っている人たちなので、芝居もやりやすいし、不安もないんですけど、これから行く現場って、知らない人も多くなるわけですから。そうした環境の中で、自分の役割を演じなきゃいけないというのが、ちょっと怖いなという思いはあります。でも、いつまでもライダーの現場にはいられないので。他の現場にも慣れなきゃいけないなと思っています」と今後について、意気込みを語った。
『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』は7月22日より公開中。
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