主演作『食べて、祈って、恋をして』のプロモーションで来日中のジュリア・ロバーツが、プロデューサーのデデ・ガードナーと共に、8月18日にザ・リッツカールトン東京で記者会見を行った。日本を訪れていない“最後の大物”といわれていたロバーツの初来日だけに、大勢の報道陣が詰めかけた。その数は、記者350人、カメラマン150人、ムービーカメラが30台で、ロバーツが登場するといっせいにフラッシュがたかれ、ロバーツは「フラッシュがスゴイのでちょっと怖い」と、まぶしそうに目をしばたかせていた。
[動画]『食べて、祈って、恋をして』会見/ジュリア・ロバーツほか
映画は、世界中で700万部を売り上げたエリザベス・ギルバートの自伝的小説をもとにした作品で、イタリア、インド、バリ島を巡り、新たな自分を再発見していく女性の姿が描かれていく。原作についてロバーツは「何年も前にこの本を読んだのですが、とても楽しんだ。女優が本を読むというと『映画化したい』『この役を演じたい』と思いながら読むのではないかと思われがちですが、そうではなく、純粋に本として楽しみました」と絶賛。タイトルにもある「食べる、祈る、恋をする(Eat, Pray, Love)」について「あなたにとって重要な順に並べると?」という質問には、「3つは全て同列。全部が揃って初めて生活できるし、幸せになれると思います」と答えた。
一方、ロバーツをキャスティングした理由について聞かれたガードナーは「映画をご覧になれば、彼女をキャスティングした理由はよく分かるはず」と胸を張った。
本作は、ブラッド・ピットが設立者の1人である製作会社プランBエンタテインメントが製作した作品。ピットがこの作品にどのように関わったかについての質問にガードナーは「ブラッド(・ピット)は素晴らしいパートナーであり、今回もとても協力的で、いろいろなアイデアを出してくれた。もちろん脚本も読んでいますし、ジュリア(・ロバーツ)とも長年の友だちです。とにかく最高のプロデューサーでした」と、その有能さを讃えた。
イタリアでは、食べる楽しみを心ゆくまで満喫する主人公。その食事シーンの撮影について聞かれたロバーツは「スタート時はとても楽しくて美味しいのですが、(撮り直しのため)5皿目、6皿目となっていくと、とても疲れて演じづらくなっていきます」と振り返った。
主人公はインドではヒンズー教の修行道場(アシュラム)で瞑想するが、映画に感化されたロバーツ自身も、最近、ヒンズー教に改宗したと報じられている。これについて聞かれたロバーツは、あるライターから食事をしながらの取材を受けたと話し、そのときの内容が様々なメディアで誤解されて伝わったとコメント。「私はこの映画を通して初めてヒンズー教と出会ったわけではなく、急に影響を受けたわけでもありません。ヒンズー教についてはかなり長い間、勉強してきました」と、映画に感化されたわけではないことを主張するも、改宗については否定も肯定もしなかった。そして「22年前に母の言ったアドバイスを聞いていればよかった」とポツリ。それは、俳優は演技に専念し、宗教や政治の話はしないほうがいいというアドバイスだったそうで、「この教えを守るべきでした」とため息混じりに語った。
また、美しさの秘訣について聞かれたロバーツは「ハッピーであること」と答えてから、茶目っ気たっぷりの笑顔を浮かべて「あとは、ランコムのアイクリームも秘訣の一部かな」と付け加え、会場を沸かせた。さらに、浮き沈みの激しいハリウッドで生き残るための秘訣について聞かれると、「俳優組合から追い出されてしまうので、秘密は教えられません(笑)」と回答。記者たちを大笑いさせてから、「なぜここまでこれたかというと、この仕事が大好きだから。なので、秘密でもなんでもないのですが(笑)、好きなことをやることが、人生の喜びをもたらしてくれるのだと思います」と、女優業への思いを口にした。
ラブコールを受けながらも長年来日しなかったため日本嫌いとも噂されていたロバーツだが、この日はジョークを交えて笑いの絶えない会見に。撮影NGだった質疑応答中に撮影していた男性にロバーツ自身が「他の人は我慢してるんだから」と注意したり、質問者に女性ばかりを指名する司会に「たまには男性も」とリクエストするなど、仕切り屋の一面ものぞかせていた。
17日に自家用機で成田に着いたロバーツは23日まで日本に滞在する予定で、19日には六本木で開催されるジャパンプレミアに出席するという。
『食べて、祈って、恋をして』は9月17日よりTOHOシネマズ 有楽座ほかにて全国公開される。
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