『ドライブ・マイ・カー』のカンヌ4冠で注目される“村上春樹作品”
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三浦透子演じる“謎の女”の読書家ぶりにも注目
主演に西島秀俊を迎え、村上春樹の短編を映画化し、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本映画史上初となる脚本賞ほか全4冠に輝いた濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』が8月20日に全国公開される。北米プレミアとなる第46回トロント国際映画祭への正式出品も決定するなど、日本公開を前に世界から大きな注目を集めている。
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このたび、家福(西島)の専属ドライバーを務めるみさき(三浦透子)が本を読む姿を捉えた劇中写真が公開された。家福を待ちながら、駐車場や公園、ベンチ……様々な場所で集中して本を読むみさき。劇中では一体どんな書籍を読んでいるのかと気になってしまう印象的なシーンとして登場する。そんな、本を読むみさきにちなみ、原作者の村上春樹作品で映画化された「今こそ読みたい、観たい。“村上春樹作品”」を紹介する。
国内外で熱狂的なファンを持つ村上春樹作品。これまで、50以上の言語で翻訳され、「ドライブ・マイ・カー」を含む9作品が映画化された。
さらに10月1日には、日本を代表する建築家・隈研吾による「国際文学館(村上春樹ライブラリー)」が早稲田大学のキャンパス内に開館を予定するなど、注目が集まる。そんな国内外で高く評価を受ける村上作品の映画化作品も傑作揃いだ。
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■『ノルウェイの森』(2010/トラン・アン・ユアン監督)
1987年の発表当時、空前の世界的ベストセラーとなった村上春樹長編5作目。物語は、37歳のワタナベがビートルズの「ノルウェイの森」を聴き、学生時代を回想するところから始まる。学生時代の親友の自殺を受け、心に傷を抱えたままのワタナベと、当時親友の彼女だった直子が大学生になって再会しデートを重ねるが、20歳の誕生日を迎えた後、直子は姿を消す──。ワタナベを松山ケンイチ、親友の彼女だった直子を菊地凛子、緑を演技初挑戦となる水原希子が演じた。さらには、『ドライブ・マイ・カー』で主人公・家福の妻の音を演じている霧島れいかも、レイコ役で印象的な演技をみせているのも注目だ。2010年のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、国内外から高い評価を得た。
■『バーニング 劇場版』(2018)
村上春樹が1983年に発表した短編小説「納屋を焼く」(新潮社)を原作に、名匠イ・チャンドンが物語を大胆にアレンジして描いたミステリードラマ。原作では、「僕」が婚活パーティーで広告モデルをしている「彼女」と知り合い付きあい始めるが、「彼女」には「僕」以外にも複数のボーイ・フレンドおり、「僕」はそのうちの1人から、ある趣味の話を聞く──。想像し得ないラストへと導く同作は、第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映されると海外メディアから絶賛された。第91回アカデミー賞外国語映画賞には韓国代表作として出品され、同国史上初めて最終選考9作品に残るなど、高い評価を受けた。
■『ドライブ・マイ・カー』(2021/濱口竜介監督)
8月20日公開『ドライブ・マイ・カー』の原作は、「女のいない男たち」と題して文藝春秋で連作された短編小説の1作目。のちに、同作含む全6篇を収録した短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)として発売され、バラク・オバマ元米大統領が「2019年のお気に入りの本」に挙げたことでも話題となった。現在、累計発行部数は70万部を突破、19ヵ国語に翻訳され多くの国で愛されている。映画化に際して、濱口監督は「同時期に書かれた作品にはやはりどこか互いに共通するものを感じました」と同短編小説集に収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影。1つの映画にして、3つの村上春樹作品の映像化を体感できるかのような物語を紡ぎ出した。同作は、ワールドプレミアとなるカンヌ国際映画祭で上映されるや、海外メディアが絶賛。日本映画史上初となる脚本賞に輝いた。
『ドライブ・マイ・カー』は、8月20日より全国で公開される。
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