ドキュメンタリー映画『映画:フィッシュマンズ』(7月9日公開)が、ミニシアターランキング1位を獲得し、1万5000人以上を動員している。好調な動向を記念し、7月30日に大ヒット御礼舞台挨拶が都内で実施され、FISHMANSのリーダー・茂木欣一、メガホンをとった手嶋悠貴監督、プロデューサーの坂井利帆氏が登壇した。
・『映画:フィッシュマンズ』茂木欣一インタビュー:純粋に音を追い求めた孤高のバンドの軌跡とは? ファンの思いが紡いだドキュメンタリー
茂木欣一、1万5千人動員に感無量「人数でいったら武道館いっぱい(笑)」
本作は、90年代の東京で音楽活動を展開したフィッシュマンズに迫るドキュメンタリー映画。セールスの不調。レコード会社移籍。相次ぐメンバー脱退。1999年、ボーカリスト佐藤伸治の突然の死…。ひとり残された茂木欣一は、バンドを解散せずに佐藤の楽曲を鳴らし続ける道を選ぶ。その想いに仲間たちが共鳴し、活動再開。そして2019 年、佐藤が世を去ってから20年目の春、フィッシュマンズはある特別な覚悟を持ってステージへと向かう。過去の映像と現在のライブ映像、佐藤が遺した言葉とメンバー・関係者の証言をつなぎ、デビュー30周年を迎えたフィッシュマンズの軌跡をたどる。
坂井プロデューサーは「まさかこんな日を、こんな場所で迎えることができるとは思っておりませんでした」と想像以上のヒットに目を丸くし、詰めかけた観客を前にして「今日、来ていただいた皆さまもそうですし、今まで各劇場にお越しいただいたFISHMANSのファンのみなさん、本当にご来場ありがとうございます。今回、FISHMANSのみなさんにご協力いただいて、ファンの方のお力をクラウドファンディングでお借りして、今日という日を迎えられたこと、本当に嬉しく思っております。ありがとうございます」と感謝。
茂木も「15000人すごいですね! FISHMANSに対して15000人の方が映画を見てくれているという事実が嬉しすぎます。人数でいったら武道館いっぱいですけどね(笑)」と喜び、「FISHMANSのデビューから30年くらい時が流れているんですけど、2021年にそんなたくさんの方がFISHMANSの映画を見てくれたこと、嬉しくてしょうがないです。感謝しかないです」と笑顔を見せた。
続けて、反響の多さについて茂木は「すごく嬉しいですし、この2人(手嶋監督と坂井P)がものすごく頑張ってくれたからこそ、今日があると思います。坂井さんが“FISHMANSの映画を作りたい”って思わなければ今日という日もないし、監督がこんなに丁寧に時間をかけてまとめてくれたからこそ今日があると思うと、やっぱり一つひとつの出会いが本当に大事だなと改めて感じざるを得ないです」と感慨深げに語り、「本当の本気の情熱はしっかり伝わっていくものなんだなと改めて思ったし、佐藤くんが作ってくれたFISHMANSという音楽、僕も一緒にメンバーとして音を出した者として、FISHMANSの音楽って時を超えて人々の心に伝わっていくんだなと、改めてしっかりと現実として感じたすごい時間でした。(ミニシアターランキングで)1位になった情報をもらったことも本当に嬉しいですね。本当に“感謝のデビュー30周年”としか言いようがない、そんな感じです」と熱く語った。
手嶋監督は「今回の映画は3時間というちょっと長いものになってしまったんですけど、まだまだ色んな方たちがカメラの前で貴重なお話を残してくれているので、何かきっかけがあれば、ファンの人たちにそのお話を届けたいなと思っています」と願望を明かすと、坂井プロデューサーも「届けたい!」と賛同。会場から期待の拍手が起こった。
最後に、茂木は「今、監督と坂井さんと3人で立っているんですけど、3年前の夏に世田谷の街で3人で『どんなことができるかね?』ってただただ喋っていた日々を思い出しました。それが3年後の夏にこんな状況になるって全然考えていませんでした。全国でこんなにたくさん上映する会場があるなんて思ってもいなくて、『東京とか大阪でできたらいいよね』くらいの話だったのが、北海道でも沖縄でも見られるということで、すごいことだなと思って、全国各地でFISHMANSだけが鳴らせる音が劇場で響いているとか、メンバーが全国どこの会場に行っても語っているかと思うと、本当に感無量ですね」と目を輝かせ、「個人的なことを1つ言わせてもらうと、この映画を作らせてもらったことで、自分のFISHMANSへの思いというか、何か1つスッキリしたものがあって、次にFISHMANSの音楽を鳴らすときに、絶対に次のチャプターに行けるって気持ちになりました。もっと自由にFISHMANSの音楽を鳴らし、いろんな人に伝えていきたいという思いがまたあふれてきたので、今回の感謝の気持ちは、今後に鳴らす音にしっかり込めていきたいなと、そういう気持ちになりました。本当にありがとうございました」と言葉に力を込めた。
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