10月31日に第23回東京国際映画祭が閉幕し、イスラエル映画『僕の心の奥の文法』(ニル・ベルグマン監督)が東京 サクラ グランプリを受賞した。
クロージングセレモニーでコンペティション審査委員長のニール・ジョーダンは、『選ぶのに大変苦労しましたが、皆さんにも納得していただける結果であったと思います」とコメント。『僕の心の奥の文法』は、つかの間の平和を享受する1960年代のイスラエルを舞台に、成長することをやめた少年の姿をユーモアを交えて描いた作品。ベルグマン監督には映画大使の木村佳乃からトロフィーが手渡された。
また、新藤兼人監督の『一枚のハガキ』が審査員特別賞を受賞。ジョーダン審査委員長は「私は16歳の頃ダブリンで新藤さんの映画を2本見て非常に感銘を受けました。新藤さんの作品は今でも心に残っています。この度は、監督の作品が含まれているコンペティション部門で審査委員長をつとめさせていただき、また、新藤さんに賞をお贈りできたことは幸せな体験でした」と98歳の巨匠を讃えた。
これが最後の作品、98歳の新藤兼人監督がこれまでの人生について語った
その後の記者会見ではベルグマン監督は「あまりにも感動的で、言葉がありません」と喜びのコメント。また、「8年前、処女作である『ブロークン・ウィング』でこの賞を受賞しました。皆さまのご質問に答えられないくらい感動して、代わりにプロデューサーに答えてもらったくらいです。今回は私の2作目を持って参りました。周りの目もより厳しくなりますし、そんななかで賞をいただけたということは大変大きな意味があります」2度目の受賞について語った。
本作が最後の監督作と語る新藤監督は「映画を撮っているうちに98歳になってしまっていて、最後の映画にしようと『一枚のハガキ』を撮りました。俳優や裏方さん、皆さんの応援があって撮ることができたと思います」と、関わった人々への感謝を口にした。
さらに会見後には審査委員をつとめた根岸吉太郎監督もグランプリについてコメント。「『僕の心の奥の文法』については、少年の気持ちと作り手の気持ち、原作を含めて非常に繊細で、深い心の揺れ動きを描いていると審査員全員が感じました。ベルグマン監督は、一本目の作品でも東京 サクラ グランプリを受賞していますが、2本目でさらに飛躍していることも評価しました」と語った。
受賞結果は以下の通り。
【東京 サクラ グランプリ】『僕の心の奥の文法』(ニル・ベルグマン監督)
【審査員特別賞】『一枚のハガキ』(新藤兼人監督)
【最優秀監督賞】『サラの鍵』ジル・パケ=ブレネール
【最優秀女優賞】『ブッダ・マウンテン』ファン・ビンビン
【最優秀男優賞】『鋼のピアノ』ワン・チエンユエン
【優秀芸術貢献賞】『ブッダ・マウンテン』 (リー・ユー監督)
【観客賞】『サラの鍵』(ジル・パケ=ブレネール監督)
【TOYOTA Earth Grand Prix】『水の惑星 ウォーターライフ』(ケヴィン・マクマホン監督)
【TOYOTA Earth Grand Prix 審査員特別賞】『断崖のふたり』(ヨゼフ・フィルスマイアー監督)
【アジアの風/最優秀アジア映画賞】『虹』(シン・スウォン監督)
【アジアの風/スペシャル・メンション】『タイガー・ファクトリー』(ウー・ミンジン監督)
【日本映画・ある視点/作品賞】『歓待』(深田晃司監督)
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